Rでの作業は実際にはRStudioを用いています。
それでは、Ubuntuの設定からお伝えします。
Ubuntuの設定
Ubuntuに日本語のTex環境をインストールします。
sudo apt-get install texlive texlive-lang-cjk xdvik-ja
次に、R markdownファイルをPDFに出力するための実行エンジンとなるxetexをインストールします。
sudo apt-get install texlive-xetex
Texの組版の元となるBXjsclsを設定します。
BXjsclsは「https://github.com/zr-tex8r/BXjscls」からダウンロードしておきます。
(out)# zipの解凍
unzip BXjscls-master
(out)
(out)# ディレクトリ名の変更
mv BXjscls-master BXjscls
(out)
(out)# ディレクトリとその配下に対して、所有者とグループの変更
sudo chown -R root:root BXjscls
(out)
(out)# ディレクトリの移動
sudo mv BXjscls /usr/share/texmf/tex/latex
最後に、BXjsclsをきちんと認識させるために texlive-doc-ja パッケージをインストールします。
sudo apt-get install texlive-doc-ja
もし、texlive-doc-ja パッケージがすでにインストールされていた場合は、一度アンインストール「sudo apt-get remove texlive-doc-ja」した後に、再度texlive-doc-jaをインストールします。
そうしないと、RStudio上で(ドキュメントクラスbxjsarticleを用いた)PDF出力の際に、次のようなエラーが発生します。
! Package keyval Error: xelatex undefined.
See the keyval package documentation for explanation.
Type H for immediate help.
...
l.232 \ProcessOptions\relax
pandoc: Error producing PDF from TeX source
エラー: pandoc document conversion failed with error 43
実行が停止されました
RStudioの設定
RStudioを立ち上げた後、次のコマンドで knitr パッケージをインストールします。
すでにインストールしてあれば、次のコマンドを実行する必要はありません。
また、PDF出力の際に他に必要なパッケージをインストールするよう催促された場合は、そのパッケージもインストールする必要があります。
install.packages("knitr")
グラフの日本語対応
ここまでで、knitr を用いたPDF出力の準備が整ったが、グラフ中に日本語を用いた時に警告が表示されるという問題があります。
次のR markdownを実行してみると、
---
title: "サンプル"
author: "山田 太郎"
date: "2015年11月1日"
output:
pdf_document:
latex_engine: xelatex
number_sections: true
toc: true
documentclass: bxjsarticle
classoption: xelatex,ja=standard
geometry: no
mainfont: Takao Pゴシック
monofont: Takao Pゴシック
---
# 最初
これはサンプルです。
## 次
```{r}
plot(x = iris$Sepal.Length, y = iris$Sepal.Width, xlab = 'がく片の長さ', ylab = 'がく片の幅')
```
次のような大量の警告がPDF内に入ってしまい、また、グラフの日本語も「.(ドット)」に置き換えられてしまいます。
## Warning in title(...): 'mbcsToSbcs' 中の ' がく片の⻑さ ' で変換に失敗 :
## をドットで置き換えました
この問題の対応は「Windows 環境下での PDF 生成で日本語文字を問題なく扱える R Markdown 設定」が参考になります。
次のようにR markdownを書き換えると、正しくPDF出力されます。
---
title: "サンプル"
author: "山田 太郎"
date: "2015年11月1日"
output:
pdf_document:
latex_engine: xelatex
number_sections: true
toc: true
documentclass: bxjsarticle
classoption: xelatex,ja=standard
geometry: no
mainfont: Takao Pゴシック
monofont: Takao Pゴシック
---
```{r, include=FALSE}
library(knitr)
# 出力フォーマットが TeX(PDF含む)の場合のみ対処する
if (knitr::opts_knit$get("rmarkdown.pandoc.to") %in% c("beamer", "latex")) {
# conversion failure on '...' in 'mbcsToSbcs' の Warning 発生の workaround
options(device = function(file, width = 7, height = 7, ...) {
cairo_pdf(tempfile(), width = width, height = height, ...)
})
## 1. cairo_pdf を使う方法
# * family には OS にインストールされているフォント名を指定する。
knitr::opts_chunk$set(dev="cairo_pdf", dev.args=list(family="Takao Pゴシック"))
}
```
# 最初
これはサンプルです。
## 次
```{r}
plot(x = iris$Sepal.Length, y = iris$Sepal.Width, xlab = 'がく片の長さ', ylab = 'がく片の幅')
```
ピンバック:RStudio で Rmd ファイルから日本語 PDF を作成する方法 | miyazakikenji