スミルノフ・グラブス検定は、正規分布を仮定した標本において、最大値または最小値が外れ値かどうか判定する検定の一つです。
外れ値を除去する際、外れ値を一つずつ検証することよりも、外れ値がすべて除去されたデータだけがほしいときもあると思います。

ここでは、正規分布を仮定したデータからスミルノフ・グラブス検定を繰り返し用いて外れ値を除去するソースコードをご紹介します。
このソースコードは、次のサイトのソースコードを参考にさせていただきました。

R — スミルノフ・グラブス検定

さっそくだが、スミルノフ・グラブス検定を繰り返し用いて外れ値を除去するソースコードは次になります。


remove.outliers <- function(x, conf.level = 0.95)
{
  x <- x[!is.na(x)]
  del.val <- NULL
  
  while (TRUE) {
    n <- length(x)
    if (n < 3) {
      break
    }
    
    r <- range(x)
    t <- abs(r - mean(x)) / sd(x)
    q2 <- (n - 2) / ((n - 1) ^ 2 / t ^ 2 / n - 1)
    q2[q2 < 0] <- 0
    q <- sqrt(q2)
    p <- n * pt(q, n - 2, lower.tail = FALSE)
    
    if (t[1] < t[2]) {
      if (p[2] < 1 - conf.level) {
        del.val <- c(del.val, r[2])
        x <- x[x != r[2]]
        next
      }
    } else {
      if (p[1] < 1 - conf.level) {
        del.val <- c(del.val, r[1])
        x <- x[x != r[1]]
        next
      }
    }
    break
  }
  return(list(x = x, del.val = del.val))
}

参考にさせていただいたサイトにあるデータで試すと、次のようになり結果は一致します。


x <- c(133, 134, 134, 134, 135, 135, 139, 140, 140, 140,
(con)         141, 142, 142, 144, 144, 147, 147, 149, 150, 164)
remove.outliers(x)
(out)$x
(out) [1] 133 134 134 134 135 135 139 140 140 140 141 142 142 144 144 147 147 149 150
(out)
(out)$del.val
(out) [1] 164

このデータに対して極端な値を追加して試すと、次のようになり、外れ値がすべて除去されたデータだけが手に入ります。


x <- c(-100, -50, 133, 134, 134, 134, 135, 135, 139, 140, 140, 140,
(con)          141, 142, 142, 144, 144, 147, 147, 149, 150, 164, 200, 300)
remove.outliers(x)
(out)$x
(out) [1] 133 134 134 134 135 135 139 140 140 140 141 142 142 144 144 147 147 149 150
(out)
(out)$del.val
(out) [1] -100  -50  300  200  164

追記

あるデータを用いたときに、次のようなエラーが出る事例をご報告いただきました。
上記のコードは以下のエラーが出ないように変更したコードになります。
ご報告いただいた方へ、この場を借りてお礼申し上げます。


 if (p[2] < 1 - conf.level) { でエラー: 
   TRUE/FALSE が必要なところが欠損値です 
 追加情報:  警告メッセージ: 
 sqrt((n - 2)/((n - 1)^2/t^2/n - 1)) で:   計算結果が NaN になりました 
R スミルノフ・グラブス検定を繰り返し用いて外れ値を除去する方法