Pythonと日本語係り受け解析器であるCaboChaを用いて係る語と受ける語のペアを抽出する方法をご紹介する。

環境:Ubuntu14.04

Pythonツールのインストール

PythonからCaboChaを扱うために、CaboChaに付属しているPythonのsetup.pyをインストールする。
これはPython2系専用であることに注意する。
cabocha – Yet Another Japanese Dependency Structure Analyzer – Google Project Hostingからcabocha-0.68.tar.bz2をダウンロードして、解凍した後、「cabocha-0.68/python」ディレクトリに移動後、以下のコマンドを実行して、インストールする。


sudo python setup.py install

「/usr/local/lib/python2.7/dist-packages/」に配置される。

係り受け構造の抽出

係り受け構造を抽出するPythonソースコードは以下を参照して欲しい。


import CaboCha

def get_word(tree, chunk):
    surface = ''
    for i in range(chunk.token_pos, chunk.token_pos + chunk.token_size):
        token = tree.token(i)
        features = token.feature.split(',')
        if features[0] == '名詞':
            surface += token.surface
        elif features[0] == '形容詞':
            surface += features[6]
            break
        elif features[0] == '動詞':
            surface += features[6]
            break
    return surface

def get_2_words(line):
    cp = CaboCha.Parser('-f1')
    tree = cp.parse(line)
    chunk_dic = {}
    chunk_id = 0
    for i in range(0, tree.size()):
        token = tree.token(i)
        if token.chunk:
            chunk_dic[chunk_id] = token.chunk
            chunk_id += 1

    tuples = []
    for chunk_id, chunk in chunk_dic.items():
        if chunk.link > 0:
            from_surface =  get_word(tree, chunk)
            to_chunk = chunk_dic[chunk.link]
            to_surface = get_word(tree, to_chunk)
            tuples.append((from_surface, to_surface))
    return tuples

if __name__ == '__main__' :
    line = '太郎は花子が読んでいる本を次郎に渡した'
    tuples = get_2_words(line)
    for t in tuples:
        print(t[0] + ' => ' + t[1])

簡単に流れを説明すると、以下のようになる。

  • 文章をtokenに分割
  • chunkであるtokenをディクショナリ化{link, chunk}
  • ディクショナリから{link, chunk}を取り出す。
    • chunkの語の原形の名詞・形容詞・動詞を取得
    • chunk.linkに対応するchunkの語の原形の名詞・形容詞・動詞を取得(対応するlinkがない場合は、-1)
    • ペアとして抽出

Pythonを実行すると、以下のように出力される。


太郎 => 渡す
花子 => 読む
読む => 本
本 => 渡す
次郎 => 渡す

通常の構造は、以下になる。


cabocha
太郎は花子が読んでいる本を次郎に渡した
    太郎は---------D
      花子が-D     |
    読んでいる-D   |
            本を---D
            次郎に-D
              渡した
EOS
Python×Ubuntu14.04 CaboChaを用いて係り受け構造を抽出する方法

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